1. 難病相談・支援センタ0の相談事業における連携の課題の抽出 難病相談・支援センターが行う難病相談における連携に関わる要因を明らかにすることを目的とし、難病相談・支援員16人が取り扱った相談事例32件の支援経過と関係機関、関係職種との連携の実際について、半構成面接票を用いた聞き取りを行い、質的に分析した。その結果、連携の進め方には、難病相談・支援センタ0の設置形態、地域の社会資源の状況、難病支援の中核となる機関、難病相談・支援員の役割に関する認識と活動の範囲等が関わっていることが明らかになった。 2. 難病療養者支援のコーディネーション実践者から見た難病相談・支援システム構築の課題 難病相談・支援センターが地域の難病支援者を組織化することの意義・必要性、ならびに組織化に繋がる実践と今後の方向性を検討することを目的に、難病相談・支援センターに所属する保健医療福祉等専門職の難病相談・支援員9名によるフォーカスグループインタビューを行った。その結果、個別支援の質向上を図るための支援者組織化の必要性と、地域の特性に応じた発展の方向性が明らかになった。 3. 研究の総括 3年間の研究成果に基づき、難病相談・支援センターにおける相談支援事業の機能として、療養者からの相談に対する【直接的支援】【支援部門への働きかけ】、支援者からの相談に対する【支援課題解決のための情報提供・助言】1支援への参加】【支援態勢構築の支援】が明らかになり、難病相談に用いられる相談および調整にかかわる技術が抽出された。さらに、地域ケアシステムの中で同事業を有機的に機能させるためのシステム構築の課題として、就労支援部門・障害者福祉部門との連携強化、地域特性を踏まえた既存の連携の強化とシステム化が明らかになり、事例をとおして行われる支援者間連携の活発化、関係機関が行う各種支援事業への相互参加の有効性が示唆された。
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