研究概要 |
生活リズム調整へのケアについて,グループインタビューをさらに2回追加し,内容を充実して分析し,ケア項目を抽出した。抽出したケア項目についてグループインタビューを行った施設の研究協力者を中心に検討した結果,36項目の質問項目を設定することとした。 愛知県,岐阜県,三重県の全国老人保健施設協会に登録されている256施設のケアのリーダー的存在の看護職,介護職,リハビリ職(理学療法士または作業療法士)とケア責任者の1024名を対象に質問紙調査を行った。調査内容は,生活リズム調整へのケア36項目の実態と必要性の認識,ケアスタッフの仕事の魅力尺度3項目,仕事のコントロール尺度9項目および施設の概要と基本属性であった。調査回収数は385票(回収率37.6%)で,383名(有効回答率37.4%)を分析対象とした。対象者の性別は男性103名,女性279名,職種は看護職138名,介護職131名,リハビリ職92名(理学療法士56名,作業療法士36名),その他20名であった。年齢構成は30歳未満55名,30〜40歳未満126名,40〜50歳未満100名,50〜60歳未満75名,60歳以上15名であった。分析途中であるが,生活リズム調整ケア内容の実態では「決まった食事時間に食事を摂取する」「日中の活動を提供し参加を促す」「活動参加に職員や利用者が声をかけ合う」「自ら行動しない入に声をかける」ことがよく行われていた。あまり行われていない内容では「生活時間に合わせた音環境の調整」「在宅と施設での生活リズムの変化が起こらないような関わり」「リズムの崩れやすい人と家族との関わりの観察」があげられた。今後の分析で,ケア内容の構造化,他の質問項目との関連性,職種間の比較を進めていくことで,インタープロフェッショナルワークによる生活リズム調整ケアへの示唆が得られると考える。
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