研究課題/領域番号 |
19592616
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研究機関 | 兵庫大学 |
研究代表者 |
辻 立世 兵庫大学, 健康科学部, 准教授 (60434958)
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研究分担者 |
久井 志保 兵庫大学, 健康科学部, 助手 (30434963)
岡本 陽子 吉備国際大学, 保健学部, 准教授 (50425138)
石田 妙美 東海学園大学, 人間科学部, 准教授 (60290160)
永石 喜代子 鈴鹿短期大学, 生活学科, 准教授 (20335128)
和田 節子 岐阜聖徳学園大学, 短期大学部, 教授 (40259271)
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キーワード | 学校保健 / 養護教諭 / 看護能力 / クレーム / モンスターピアレンツ / 説明責任 / 健康ニーズへの対応 / 看護アセスメント |
研究概要 |
19年度に実施した「養護教諭の職務における看護に関する調査」について統計ソフトSPSSを用いて分析した。養護教諭の看護師免許の有無によって看護対応の仕方に差が認められた項目が多かった。また、看護実践(技術)では頭痛時の随伴症状、けいれんの種類、発疹から感染症を予測する、食中毒の予測、アナフラキシーショックの予測などの看護アセスメント能力の自信度に看護師免許を有するものに有意差があった。総合的な判断応力では、「自信を持ってアセスメントができる」と回答した養護教諭は、症状に必要なフィジカルアセスメントの基本的な看護対応を90%以上が実施していた。「自信を持ってアセスメントができない」と回答を者は、聴診や血圧測定を全くしない等の器具の使用方法や「けいれん発作の種類」「意識レベル」「異物除去」といった対応ができないため、緊急時の看護能力の向上が課題である。近年の社会情勢における児童生徒の健康ニーズは複雑で、これらに対応するための看護能力は必要とされている。個々の看護処置(技術)養護教諭は過去の健康情報から総合的にアセスメントができる、緊急度の判断ができる、症状から何科に受診させるべきか判断できることと養護教諭としての誇りとの相関関係が高いこともわかった。養護教諭は教育職であり、教職免許法では必ずしも看護免許を必要としない。養成教育の段階で一定の看護能力を身につける必要があることが示唆された。また、養護教諭が保護者から受けたクレームの分析からは、医学的知識や看護能力不足により、説明が不十分なため様々な問題を引き起こしていることもわかった。現在、これらを基に、さらに問題因子を分析して論文としてまとめている段階である。
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