研究概要 |
感染症に強い地域づくりを目的に,感染症弱者の身体障害者とその家族、サポーターへ,専用感染防御グッズを試作し,教育的介入を実施した。対象は,身体障害者13名(42.6±15.9歳)その家族13名(54.8±22.2歳),施設スタッフ54名(35.4±13.2歳)である。 【事前知識】インフルエンザ,エイズ,赤痢,結核,鳥インフルエンザに関する知識は,施設スタッフが高く,ついで家族,身体障害者の順であった。【教育受講経験】マスク貼用の受講1経験は,スタッフが15/54人,家族および身体障害者はそれぞれ1/10人0126人とほとんど受講経験がなかった。手洗いも同様で,スタッフで36/54人,家族は2/10名,身体障害者は3/13名であった。【清潔行動の実態】手洗い:スタッフで,手首,指間部,爪の部分に洗い残しを認めた。身障者は自力で袖をあげることができず,普段全く手を洗っていない人1名,その他全員完全に洗えていなかった。特に指全体と手首に洗い残しを認めた。マスク:N95マスクは自力でできる人3名,フィットマスクは10名であった。【感染症防護グッズ】グッズの内容は,新型インフルエンザ発生時2週間防御するための,マスク(N95,フィットタィプ),泡状石鹸,ペーパータオル,速乾式手指消毒剤,手洗いポスター,しおり,グッズ説明書とした。ポイントとして,(1)容器の開け口を表示する(2)それぞれに使用目的、方法を記載する(3)マスクの紐をゴムタイプとする(4)上肢が前方に伸展不可能な障害者には100m1程度のピンタィプの容器を使用。使用状況を1年間継続モニタリング予定である。【リスク認知】感染症リスクイメージは恐ろしさ、未知性因子の2因子で構成され,教育介入後インフルエンザの恐ろしさ因子が上昇しエイズが低下した。未知生因子では,鳥インフルエンザリスクが低下した。
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