研究課題/領域番号 |
19592618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
三橋 睦子 久留米大学, 医学部, 教授 (50289500)
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研究分担者 |
津村 直幹 久留米大学, 医学部, 講師 (50227469)
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連携研究者 |
大坪 靖直 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60223880)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2010
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キーワード | 公衆衛生学 |
研究概要 |
将来における世界的な新興感染症の集団発生に備え、感染症に強い地域づくりを目指し、地域の感染症要支援者ごとに、5つの感染防止教育支援活動の実践的介入研究を行った。実施した教育介入は、対象の知識や衛生行動の向上を認め、対象に対応した感染防護具の工夫や、講義、手洗い・マスクの着用等の演習、視覚的な効果判定など、概ねで効果的な教育介入法を構築することができた。しかし、感染症に強い地域づくりのためには、継続した最新の情報提供が必要であり、各対象に対応したサポータ(支援者)の養成を継続できるシステムの必要性が示唆された。 1.身体障害者を対象として: 通所・入所施設のスタッフをサポーターとして同時に実践し、共に知識向上するための講義、資料配布、行動に移せるようなシステム改善(グリッターパグの常設等)、視覚的に効果を評価できる演習(おむつ介護演習)、アウトブレイクに備えたシュミレーション訓練を行い、サポーターの知識と衛生行動の向上を認めた。しかし、さらなる感染防護具の工夫や手洗いのための洗面所や水道、乾燥のための道具などの工夫や開発の必要性が示唆された。 2.聴覚障害者を対象として: 手話通訳や要約筆記等の支援を受けた教育介入を実施し、対象においては一定の効果を認めた。しかし、継続して支援するためのサポーター養成の必要性が示唆された。要約筆記や手話通訳者等に向けたサポーター養成システムが望まれる一方、若い年代層にはPCや携帯電話(文字)等のネットにより、感染防止に関連した情報収集は比較的容易な状況になってきており、ネットワークの必要性が示唆された。 3.視覚障害者を対象として: 点字による感染防護具や手洗い法の演習等により、一定の効果が得られた。点字や音声による情報提供の媒体作成が急務であり、汚れを可視することができないため、サポータにおける教育支援や生活支援が必要である。外出支援サービス等に登録されているガイドヘルパー等がサポータとなりえる可能性を秘めており、資格取得時の講義内容に含めることで継続的な養成が可能になると考える。若い年代層では、PCや携帯電話による音声ソフトの利用により、情報収集ができるようになりつつある。 4.小学生を対象として: 世界的なパンデミックを想定し、2009A/H1N1インフルエンザの国内集団発生期に介入研究を実施したにもかかわらず、小学校における衛生環境調整の難しさとサポーターを含めた衛生教育が整っていない実態が明らかになった。本対象においても学年閉鎖が実施され、風評被害も認められた。教育効果として、小学生への衛生行動の改善を認め、学校養護教員を中心としたサポータへの継続的な支援体制の強化の必要性が示唆された。 5.在日外国人を対象として: 中国・韓国、英語圏、ブラジル等の在日外国人に、母国語通訳の支援をうけて実施し、一定の効果を認めた。しかし、今回の対象が在日後の年数が短いため、日本語の理解力に差を認めた。教育介入、パンフレット等で母国語に対応できるサポータ-(外国語学校等)とリンクした支援の必要性を認めた。
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