研究課題/領域番号 |
19599001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
仲村 朋子 (吉川 朋子) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (30451397)
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研究分担者 |
仲村 厚志 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (50361829)
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キーワード | 概日リズム / 末梢時計 / 中枢時計 / 卵巣 / 黄体形成ホルモン / LHサージ / ルシフェラーゼレポーター / 発情周期 |
研究概要 |
生体内のほとんど全ての末梢組織に、概日時計が存在することが示されている。しかし、それらの末梢概日時計が、それぞれの組織の生理機能に何らかの役割を持つのかどうかはわかっていない。これまでの研究の結果、卵巣に存在する概日時計の位相は、黄体形成ホルモン(LH)や濾胞刺激ホルモン(FSH)によって調節されている可能性が高いことを培養した卵巣の細胞において示すことができた。本研究では、時計遺伝子Period2プロモーター下流にルシフェラーゼレポーターを組み込んだトランスジェニックラット(Per2-lucラット)を用い、発光により概日リズムの解析を行った。LHが動物の生体内においても卵巣の概日時計の位相調節シグナルとして作用するのであれば、生体内におけるLH濃度が一定に保たれたとき、卵巣の概日時計は、正常に時を刻めなくなるはずである。昨年度の研究により、薬理学的に生体内におけるLH濃度を一定にした場合、卵巣における概日時計の振動は著しく減衰することを示した。しかし、薬理学的な手法では、予期せぬ副作用により結果に影響が生じている可能性も否定できない。そこでハラスナイフによるhypothalamic suprachiasmatic frontal cutを行い、外科的な手法により生体内におけるLH濃度を一定にした。その結果、薬理学的手法による場合と同様に、卵巣における概日時計の振動は著しく減衰することがわかった。すなわち、LHサージが卵巣における概日時計の振動維持に必要であることを強く示唆することができた。
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