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2008 年度 実績報告書

周産期脳障害の病態特異的な予防および治療にむけて

研究課題

研究課題/領域番号 19599012
研究機関大阪大学

研究代表者

冨松 拓治  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30346209)

キーワード未熟脳 / グルタミン酸トランスポーター / Ceftriaxone / GLUTI / C-reactive protein / 感染
研究概要

当該年度は、昨年度の研究の連続として、βラクタム系の抗生物質が未熟脳のグルタミン酸トランスポーターの発現を上昇させ虚血低酸素耐性を上げるという仮説を検証する為に、生後7日前後のラット新生仔を用いて、Ceftriaxone投与に対するGLUT1(Glutamate transporter-1)の未熟脳における発現を検討している。Ceftriaxoneの投与は実際に生後7日後のラット脳のグルタミン酸トランスポーターの発現を上昇させ、それが虚血低酸素による脳障害を軽減することを示唆するデータを得た。これは周産期においてβラクタム系の抗生物質を母体に用いることにより胎児虚血低酸素に対する耐性を得ることが出来うることを示唆し、未熟児の周産期の脳障害に対して新たな予防処置(βラクタム系の抗生物質の予防投与)の可能性を検討するものである。(今年度の日本周産期新生学会にて発表予定。)
また、感染の脳障害に与える影響の一環として、C-Reactive protein(CRP)の胎児脳障害に与える影響を検討した。我々は、炎症のマーカーとして用いられているCRPが脳障害の増悪因子として働いている可能性を見出した。周産期医療において、胎児のCRPが上昇することはよく経験されることであり、また胎児のCRPの上昇と脳障害の関連は疫学的にも示唆されており、メカニズムは不明であるが、CRPの減少させることが脳障害の治療および予防の可能性につながる興味深いデータである。この結果は現在英文雑誌に原著論文として投稿中である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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