研究概要 |
移植腱成熟促進のために用いる予定の犬由来筋肉由来細胞、骨髄由来細胞についての分離、培養方法は10%FBS含有DMEを用いた接着培養系として確立されている。さらに本研究で現在、犬由来ACL血腫細胞分離方法のため関節鏡視下に犬の前十字靱帯を切離する方法については2.7mmの関節鏡とレトログレードナイフを用いた方法で確立された。ACL血腫を膝関節穿刺にて吸引しその中から接着細胞を分離、培養する条件、方法につき、ACL切離後の採取時期を含め、Ficolを用いた分離と単純な細胞接着法とを比較検討した結果、単純な細胞接着法のほうが得られる細胞数が多いことがわかった。次いで、細胞のシート化であるが、シートとして細胞を回収するために温度応答性培養皿(UpCell,セルシード)に培養する方法を用いたが(high glucose DMEM, 10%FBS, 40ug/mlアスコルビン酸、10ng/ml TGF-β1、37℃、CO2インキュベーター内)完全なシート状の細胞を得ることはできなかった。 In vivoの実験についてはビーグル犬を用いたモデルで自己膝蓋腱の内側2分の1を用いて、脛骨側、大腿骨側とも4mmのドリルを用いて骨孔を作成し、両側とも関節外のpost screwに固定する方法で、前十字靱帯再建法について靱帯再建群を作成し、島津製万能試験機を用いての破断強度および力学特性試験を行った。術後8週の時点で正常ACLの約2分の1の強度が得られていた。
|