研究概要 |
平成20年度は,2年目の取り組みとして,研究者コミュニティを抽出する方法として,研究論文からの関連性を用いる場合に加えて,機関内のコミュニティ抽出であることを踏まえ,教員が担当する講義の関連性を学生の意見に基づいて抽出するための方法をモデル化し,工学部6学科の学生に対して実証実験を実施した.また,講義選択支援システムとしても実用に供するレベルとなっている. 一方,図書館を拠点とし,教員側から学生に情報を提供するパスファインダーの数も増加しており,シラバスにおける講義の構造的関係とパスファインダーを組み合わせた教育支援システム実現のインフラ整った. 本課題の創知資本とは,教育研究を提供する側の教員,受ける側の学生,それぞれを指す.これまで,教育における教育と学生を結ぶネットワーク基盤はある程度実現できたと判断できる. 本創知資本基盤の特徴は,機関内(個々の大学)と日本国内,アジアと任意の範囲におけるネットワークを可視化し,必要に応じて協力体制を組織するための情報を提供するシステムであることである,ここで,「必要に応じて」とは,機関内で組織しなければならないとき,あるいは,国内に限定されているとき,さらにアジアだけで組む,などという制約を満たす組織編成が自由自在にできることを意味する.従来は,機関内だけ(顔見知り)か,あるいは,ウェブを用いた全世界を対象として検索する場合には,前者は局所的,後者は過度に広域的であるため,ニーズに副しているとはいえないことからも,本システムの貢献が予想される.
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