研究課題/領域番号 |
19601008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (00283656)
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研究分担者 |
小田 伸午 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (10169310)
中間 玲子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (80343268)
山田 剛史 島根大学, 教育開発センター, 講師 (40379029)
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
秦 由美子 大阪大学, 大学教育実践センター, 准教授 (30263031)
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キーワード | 単位制度 / 大学生 / 学習 / アクティブ・ラーニング / カリキュラム |
研究概要 |
本研究は、単位制度の実質化に焦点を当てて研究をおこなおうとするものである。それは、単に大学設置基準に定められた単位規定が各大学で実質的に運用に至っていないことを問題視して取り組まれようとするものではなく、むしろ、学生が勉学を通していかに自身の能力をたかめていくか、そこに授業・授業外学習のバランスある教授学習過程が介在しているか否かを検討するために取り組まれようとするものである。 平成19年度はこの問題意識に則って、キャップ制度を実施して単位の実質化を目指している大学を特定し、そうしたカリキュラムのもと、学生たちがどのように1週間を過ごしているか調査をおこなった。当初の計画では、ここから単位制度の実質化に寄与するカリキュラム評価論を構築する予定であったが、予想と異なり、当該大学の学生の学習時間は、キャップ制度を敷いていない大学の学生、ないしは全国の平均的な学生の学習時間と大差ないことが明らかとなった。こうした結果を受けて平成20年度では、キャップ制度の視点ではなく、学生のとくに授業外学習に実質的に寄与しているカリキュラム要素は何かという視点で、全国大学のカリキュラムを精査する必要性を感じるに至った。 しかしながら、このような問題は出てきたものの、上記の学生調査の分析においては、当初の仮説通り、授業・授業外学習をバランス良くおこなうという学習タイプの学生の成長・発展、大学教育への満足や関わりが、他の学習タイプ(たとえば授業だけは熱心に参加するが、授業外学習はしないタイプ、あるいはその逆のタイプ)の学生と比較して、有意に優れたものであることが検証された。平成20年度はこの点を土台にして、上述のカリキュラム要素を引き続き検討していこうと考えている。
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