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2008 年度 実績報告書

単位制度の実質化を目指すカリキュラム評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19601008
研究機関京都大学

研究代表者

溝上 慎一  京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (00283656)

キーワード単位制度の実質化 / 大学生 / 授業外学習 / 学習
研究概要

本研究は、単位制度の実質化に焦点を当てて、学生の授業・授業外学習の問題に取り組むものであった。本研究で得られた主な成果をまとめると次のようになる。
第1に、単位制度の実質化に対して全国の大学はキャップ制などを導入したが、それで学生が授業外学習をするわけではなかった。キャップ制に、授業外学習時間増加に向けての具体的な取り組みが加えられて、学生の授業外学習の時間数は増加するのであった。
第2に、授業・授業外学習を通して知識・技能の習得に効果的であったのは、授業に適度に参加し、かつ授業外学習をしっかりおこなっている学習タイプであった。授業には長時間参加しても、授業外学習をしない学習タイプは、授業学習も授業外学習もしていない学習タイプと類似する否定的な教育効果を示していた。
第3に、当初は、単位制度をうまく機能させて学生が授業外学習をおこなっているその構造を、海外の大学・大学生調査によって明らかにすることを目的としたが、たとえば北米の大学生が授業外学習をおこなうのは、直接単位制度のゆえではないことが検討の過程で明らかとなり、この検討は頓挫した。それならば、学生の授業外学習時間を増加させる意味で単位制度の実質化に至っている国内の大学事例を検討しようとしたが、これも事例がほとんど見られない事実を確認して挫折した。しかし検討の過程で、こうした観点に前向きに取り組む弘前大学、信州大学、創価大学経済学部などのわずかの事例に出会い、学生を授業外学習させるような教員の教授学習観・授業デザインの組織的変革の重要性が示唆された。今後は、これらの観点のもと、単位制度の実質化、授業外学習の研究をおこなっていかねばならない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 学習タイプ(授業・授業外学習)による知識・技能の獲得差違の検討2009

    • 著者名/発表者名
      溝上慎一, 中間玲子, 山田剛史, 森朋子
    • 雑誌名

      大学教育学会誌 第31巻第1号(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] キャリア教育における教育効果の検討-キャリアに対する態度と自己の変化に注目して2008

    • 著者名/発表者名
      中間玲子
    • 雑誌名

      京都大学高等教育研究 第14号

      ページ: 45-57

    • 査読あり
  • [学会発表] 大学生活の過ごし方から見た学生タイプの特徴-どの活動次元でもHigh Performerが高い学習成果を示す-2009

    • 著者名/発表者名
      溝上慎一
    • 学会等名
      第15回京都大学大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-03-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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