研究概要 |
ハラスメントのない、研究・教育・学習・労働環境をつくるための点検評価基準の作成を目的として、平成19年度は、1)ハラスメント環境評価の基礎となる発生に関与する因子および2)ハラスメント防止ガイドラインについて検討をおこなった。 1)文系では、セクハラの発生が教育学や心理学関係の分野において多い。これは、師弟関係が強固に存続しているからと推察される。理工系の特徴として、業績の搾取が挙げられる。高専では、職員間のパワハラ、モラハラが多く、また、男社会であるため、環境型セクハラやジェンダー・ハラスメントも多い。私学では顧客志向があり、学生サービスとしての対応意識は強い。一例として、,試験結果の異議申立があげられる。 セクシュアル・ハラスメントと関連して、防止ガイドラインの中に、『指導・被指導関係にある教員と学生間の恋愛は、基本的にはセクシュアル・ハラスメントになる』という文言を入れるべきであることが確認された。 2)全国761大学の公式ホームページにおいて、ハラスメントに関するガイドラインが公開されている大学は245、公開されていない大学は475、不明41であった(2007年8月25日現在)。地域別のガイドライン整備状況(公開大学数/地域大学数)は、北海道42%(15/36),東北11%(5/45),東京都37%(48/131),関東(東京以外)27%(36/132),信越・北陸26%(11/43),東海49%(41/83),関西32%(47/146),中国・四国33%(22/67),九州・沖縄26%(20/78)で東北が著しく低い。 ガイドラインの種類を定義から次の5型に分類すると、(1)型【セクシュアル・ハラスメントのみ定義されている】:164大学、(2)型【セクシュアル・ハラスメントとアカデミック・ハラスメントの2種類の定義がある】:46大学、(3)型【セクハラ、アカハラ、パワハラ等3つ以上の定義がある】:55大学、(4)型【ハラスメント、あるいはキャンパス・ハラスメントとして一つに括っている】:31大学、(5)型【個々の事例の紹介のみで定義が見当たらない場合】:2大学であった。
|