(1) 全国の外国人教員・研究者への質問紙調査の実施・集計・分析 本年度は、前年度に実施した研究枠組みおよび外国人を含む研究者とのワークショップ・討議をもとに、全国の日本人および外国人教員・研究者5千人を対象とした質問紙調査を実施し、その結果の集計・分析を行った。分析にあたっては、いくつかの鍵となる変数、すなわち、所属大学の特徴、専門分野、職種、出身国・地域、主要な業務、ライフスタイルなどによる外国人教員の採用、雇用条件、昇進などのあり方、直面している課題などを分析し、諸問題の広がりや深刻さを量的に把握することで、先行研究や有識者等から得られた知見を裏付けた。また、必要に応じて、平成19年度東北大学が文部科学省の委託を受けて実施した全国の国公私立大学に対する国際化に関する評価の調査の結果を参照し、分析を進めた。この結果、外国人教員の間に、専門分野や出身国によって研究・教育への姿勢やライフスタイルに大きな違いがあること、全体的に日本での職業・私的生活への愛着度は高く、共に生きる高度な知識・専門性を持つ市民であり、同時に、国外の社会との貴重な架け橋としてての関わりが重要であることなどがわかった。 (2) 改革プランの提示 前年度行った先行研究の整理、研究枠組みの構築、研究者とのワークショップ及び質問紙調査の分析による検証の結果を踏まえ、外国人大学教員・研究者の雇用や労働環境、支援体制について改革プランを提示した。
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