研究分担者 |
大迫 洋治 高知大学, 医学部, 助教 (40335922)
石田 健司 高知大学, 医学部付属病院, 准教授 (10274367)
小畑 浩一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70368538)
藤原 祥裕 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70238640)
神谷 光広 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10329774)
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研究概要 |
我々はこれまでにラットの手関節に3-4週間ギプス固定を行うと,不動化側にアロディニアや痛覚過敏が引き起こされること,脊髄後角細胞の特性が変化していることなどを報告してきた.しかしながらその原因となる神経生理学的あるいは薬理学的な機序については未だ不明な部分がほとんどである。 そこで今回はギプス固定を行った動物を用いて、それらの脊髄をギプス固定から解放した後に摘出し、これらを免疫組織化学的解析により,脊髄後根神経節ニューロンでは不動化側のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin-gene related peptide: CGRP)発現細胞の変化について検討した。その結果、対照側に比べて,キプス治療側では脊髄後根神経節ニューロンが有意に大型化していることをわかってきた。 また、このDRGにおけるCGRP発現細胞のサブポピュレーションの変化が関節不動化後の痛みにどのように関与しているか明らかではないため、脊髄後角及び延髄におけるGGRP陽性線維の変化について調査した。その結果、脊髄後角浅層,楔状束核については対照側と不動化側でCGRP陽性線維は有意な差を認めなかった。一方,脊髄後角深層については対照側より不動化側でCGRP陽性線維の有意な増加を認めた。 ここまでの研究では、関節不動化によって脊髄後角深層におけるCGRP陽性線維は増加していることがわかった。この脊髄後角深層におけるCGRP陽性線維の増加が脊髄後角細胞の特性変化を誘導し,アロデニアや痛覚過敏症を引き起こしている可能性が考えられるため、更に研究を遂行する必要がある。
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