研究課題/領域番号 |
19603003
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
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研究分担者 |
大迫 洋治 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40335922)
小畑 浩一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70368538)
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キーワード | 不動化 / 脊髄後角 / Substance P / CGRP |
研究概要 |
骨折や捻挫の後のギプス固定や体幹の骨折等に伴うベッド上の長期臥床は運動器の不動化を引き起こす。このことにより、関節や筋などの拘縮が引き起こされ正常な筋骨格系の活動が阻害されることは広く知られており、痛みも伴うことから日常生活活動に大きな障害を及ぼすことになる。我々はこのような患者において単なる拘縮と痛みだけでなく、感覚神経系の機能変化が引き起こされていることに注目し、関節拘縮モデル動物を作成して研究を行ってきている。これまで、本モデル動物では電気生理学的に脊髄後角細胞の神経活動の可塑的変化が引き起こし、広域作動性ニューロンの分布が増加していることや罹患関節の動きに伴って反応するニューロンの分布が増加していることを示している。また、免疫組織学的には、C-fos陽性後角細胞の分布密度が増加していること、後角深層においてSubstance PおよびCalcitonin Gene Related Peptide(CGRP)陽性線維の増加なみられること、CGRPを含有する後根神経節細胞の分布パターンに変化が引き起こされていること等を報告してきている。本年度の研究成果では、関節拘縮作成後(5週のギプス固定期間)において脊髄後角内のアストロサイトおよびミクログリアの活性化が引き起こされていることを新たに発見している。 今後は1)これらの変化と同時に引き起こされている可能性がある、温度受容体TRPVファミリーなどの分布の変化に着目した研究を推進すること、2)運動器のリハビリテーション訓練などにより脊髄に引き起こされた細胞活動の変化がどのように変わって行くかについて研究を推進していく必要があるものと考えられる。
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