最近、疼痛が、疾患が起こった部位の変化だけではなく、それを感知する末梢神経のレベルにおける変化によっても影響されることが明らかにされている。本研究の目的は、変形性関節症における疼痛の機序を明らかにする為に、関節症モデル動物を作製し、末梢神経レベルにおける変化について調べることである。昨年度以下のことを行った。 1.動物モデルにおける疼痛に関する行動評価方法の確立 変形性関節症モデルを作成し、後肢荷重の左右差を測定する方法に習熟し、再現性良く行えるようになった。 2.末梢神経変化に関する評価方法の検討 行動評価にて変化をきたした時期で、末梢神経変化に関する検討を行った。まだ、予備的実験結果ではあるが、逆行性トレーサーを関節内に注入し後根神経節や脊髄後角にある膝関節を支配する神経細胞を染色・同定することができた。来年度は同実験を繰り返すとともに、電気生理学的手技を用いた、同神経細胞の可塑的変化についての評価方法も検討していく。 本研究は九州大学大学院医学研究院統合生理学との共同研究にて行った。 連携研究者: 九州大学大学院医学研究院統合生理学教授吉村恵 九州大学大学院医学研究院整形外科学助教岡崎賢
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