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2008 年度 実績報告書

神経因性疼痛モデルの発症,維持におけるコリン作動性神経の関与

研究課題

研究課題/領域番号 19603012
研究機関奥羽大学

研究代表者

阿部 賢志  奥羽大学, 薬学部, 講師 (60405991)

キーワード神経因性疼痛 / アセチルコリン / 坐骨神経結紮モデル
研究概要

神経因性疼痛は神経障害性の疼痛であり,その強力かつ持続的な痛みは患者のQOLを顕著に低下させる。神経因性疼痛は,オピオイド系鎮痛薬に対して抵抗性を示すため,その発症機序を明らかにすることは,この疼痛に対する治療薬の開発にとって非常に重要である。一方,コリン作動薬は脳内投与により鎮痛作用を発現すること,morphineの鎮痛作用にアセチルコリン(ACh)受容体が強く関与すること等が示されており,鎮痛作用と脳内AChには密接な関連があることが推測されている。そこで本研究では,坐骨神経を結紮した神経因性疼痛モデル動物を用い,その病態に対するコリン作動性神経の関与について,マウスを用いて検討した。
坐骨神経結紮モデルとして,DecosterdとWoolfにより報告されたSpared Nerve Injuryモデル(総腓骨神経と脛骨神経を結紮)と,腓腹神経のみを単独で結紮するモデルを比較した。その結果,機械的刺激(von Frey filament)および低侵襲濃度(0.1%)ホルマリンの足蹠皮下投与のいずれにおいても,腓腹神経単独結紮動物に明らかな疼痛閾値の低下が認められた。
この腓腹神経単独結紮モデルに対して,コリン作動薬であるカルバコールの脳室内投与は,低用量(0.1μg/site)では明確な鎮痛作用を示さなかった。しかし,高用量(3μg/site)の投与により統計学的に有意な鎮痛作用が発現した。次に,カルバコールにより発現した鎮痛作用に関与するACh受容体のサブタイプを特定するため,各種ムスカリン受容体拮抗薬の前投与による鎮痛作用の変化について検討した。その結果,M1あるいはM3受容体拮抗薬の前投与により,カルバコールにより減弱したホルマリン誘発疼痛の第I相が強く発現した。しかし,第II相における鎮痛作用には変化はみられなかった。現在,第II相の疼痛反応とAChの関連性について精査中である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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