ガンマナイフは中枢痛や三叉神経痛などの難治性疼痛の治療に臨床応用され、鎮痛効果が証明されている。しかし、その鎮痛機序に関しては報告がない。本申請研究は、慢性疼痛モデルラットを用い、ガンマナイフの鎮痛効果を確認し、作用機序を検討することを目的とした。 実験は以下の2つの部分からなる。(1)末梢神経損傷によるアロディニアモデルへのガンマナイフの鎮痛効果と機序の解明、(2)中枢痛治療としてのガンマナイフ下垂体照射の作用機序の解明。(1)に関しては、ガンマナイフ照射2週間後より鎮痛効果が出現した。さらに、照射部位にマクロファージが集積し、これによりmyelin debrisの除去が促進されることが判明した。この時期と鎮痛効果が出現する時期が一致する事から、集積したマクロファージにより神経損傷の修復が促進され、アロディニアからの早期の離脱が誘発されたことが示唆された(Painへ投稿中)。(2)はじめに、痛み刺激による下垂体の組織変化を免疫組織的手法にて解析した。さらに、MRI解析によりラット下垂体へのガンマナイフ照射方法を確立した。
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