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2007 年度 実績報告書

μオピオイド受容体遺伝子欠損マウスを用いたオピオイド拮抗性鎮痛薬の作用解析

研究課題

研究課題/領域番号 19603021
研究機関安田女子大学

研究代表者

佐藤 公道  安田女子大学, 薬学部, 教授 (80025709)

研究分担者 池田 和隆  (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (60281656)
井手 聡一郎  広島国際大学, 薬学部, 助教 (30389118)
キーワードオピオイド / 鎮痛 / 依存 / 麻薬拮抗性鎮痛薬 / MOP-KOマウス
研究概要

本研究では、種々のオピオイド鎮痛薬の抗侵害受容作用特性と分子機構を解明することを目的とし、本邦で臨床使用されているオピオイド拮抗性鎮痛薬に焦点を絞り、解析を行っている。本年度は、ブトルファノールを中心として解析を行い、熱的、機械的、並びに化学的な種々の異なる痛み刺激に対する抗侵害受容作用の評価を、野生型並びにμオピオイド受容体遺伝子欠損マウスを用いて行った。野生型マウスにおいてブトルファノールは、皮下投与により比較的速やかに鎮痛効果を発現し、その作用は投与後3時間以上持続していた。μオピオイド受容体遺伝子のホモ欠損マウスを用いた解析においては、ブトルファノールの抗熱、並びに抗機械的侵害受容作用は完全に消失していた。一方、抗化学的侵害受容作用は、野生型と比較して減弱は見られたものの、依然として有意な作用が確認され、その作用はκオピオイド受容体選択的拮抗薬を前処置することで消失した。さらに、ヒトオピオイド受容体各サブタイプに対する選択性、並びにアゴニスト活性の検討を行ったところ、ブトルファノールはμ及びκオピオイド受容体に対して比較的高い結合親和性を有し、μ、δ並びにκオピオイド受容体のいずれに対しても部分作動薬として作用することが明らかとなった。これらの結果はブトルファノールの熱並びに機械刺激に対する鎮痛効果の発現にはμオピオイド炉主要な役割を果たしているが、化学(内臓)刺激に対してはμ並びにκオピオイド受容体がその効果の発現に重要であることを示している。本研究成果は、痛みの種類・程度に合わせた適切なオピオイド鎮痛薬の使用による疼痛治療に対し、有意義な知見を提供すると考えられる。
また本年度は、条件付け場所嗜好性試験(CPP法)における依存性の評価を行うための条件検討を行い、モルヒネを用いた我々の結果とこれまでの文献等の報告とを比較し同等の評価が行えていることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 医療用麻薬の鎮痛効果の個人差2008

    • 著者名/発表者名
      井手 聡一郎
    • 雑誌名

      日本神経精神薬理学雑誌 28

      ページ: 43-48

  • [雑誌論文] Abolished thermal and mechanical antinociception but retained visceral chemical antinociception induced by butorphanol in μ-opioid receptor knockout mice2008

    • 著者名/発表者名
      井手 聡一郎
    • 雑誌名

      Neuropharmacology (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] μオピオイド受容体遺伝子欠損マウスを用いた麻薬拮抗性鎮痛薬の抗侵害受容作用の評価2007

    • 著者名/発表者名
      井手聡一郎
    • 学会等名
      第28回鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2007-08-31

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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