研究課題
本年度は2カ年の研究期間最終年として全体の成果をまとめた。主として前年度の追究課題であった「Human Development人間発達」と「公共性」に関する研究成果にたち、本年度はそれらがグローバル化する社会の中でいかなる意味を持ち、「社会秩序」を構成する要素になっているのか、あるいは反対に「社会秩序」への対抗軸となっているのかについて検討を行った。その成果は報告論集「Human Development人間発達」(総ページ数446頁)として刊行した。本研究は主としに以下の2点において成果をあげた。第一に、構造分析にとどまりがちな従来めグローバル社会秩序研究や、限定的な条件下における従来の「公共圏」「公共性」の議論を乗り越えて、新たな地平を照射する試みを、Human Developmentや「潜在能力論」に依拠しながら論じた点である。潜在能力論は社会構造分析にとどまる議論に「主体」としての人間の関与とその「能力」の視点を加えた点で大きな意味を持つ反面、潜在能力そのものが社会環境に規定される視点も本研究では指摘してきた。第二にそれらを理論的に検討するだけでなく、具体的に展開する現実のなかでフィールド調査を重視しながら実証研究に取り組んだ点である。その対象は日本社会のみならずグローバル社会、就く、矛盾が集中的に表出する周縁社会=第三世界の実情にもおかれ取り組まれた。なお本研究は当初計画された目的をほぼ達成したと思われるが、ほぼ同メンバーによる「社会環境と人間発達」をテーマとした継続的研究の一環であり、今後とも発展した形で追究される予定である。
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都市研究 第8号
ページ: 1-8
日本史研究 550号
ページ: 114-123
法と民主主義 431
ページ: 58-61
神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 2-1
ページ: 193-212
比較法研究 69号
ページ: 33-45
The Indian Geographical Journal 69巻1号
ページ: 7-26