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2007 年度 実績報告書

地域共同体における犯罪被害者と加害者の新たな関係秩序の形成の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19610007
研究機関常磐大学

研究代表者

西村 春夫  常磐大学, 被害者学研究科, 教授 (60228228)

研究分担者 冨田 信穂  常磐大学, 人間科学部, 教授 (60105062)
辰野 文理  国士館大学, 法学部, 准教授 (60285749)
平山 真里  白鴎大学, 法学部, 専任講師 (20406234)
鴨志田 康宏  東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60408979)
前野 育三  大阪経済法科大学, 法学部, 教授 (60079639)
キーワード被害者・加害者間の新関係秩序 / 被害者・加害者パネル / 被害者の加害者観の転換 / 加害者の被害者観の転換 / victim impact panels / youth offender panels / 司法における修復的実践 / 地域共同体の復権
研究概要

犯罪被害者と加害者との関係は,近時のメディアの報道がしばしば一方的に被害者側に立って遺族の発言や心境に過度に同調し,被告人や弁護団に反発することが多いため,強い報復・処罰感情を視聴者や読者に植え付ける結果となっていると言われる。研究者の分析結果でも,しばしば被害者は加害者観を「人でない怪物」と見,加害者は被害者観を「怒りと憎悪をもった逆襲者」と見るのである。重大犯罪なら尚更である。報復の心情を無下に否定するものではないがが,本研究は,このような対話不能な相互対立,排除型関係秩序を越えて,腹蔵なきコミュニケーションに訴えて新関係秩序の再構築を目指す社会的,個人的方策を探求する。
コミュニケーションは自然には生まれない。担当官やNPOなどの第三者が調整し実現することになる。本研究では当の被害者と加害者とのあいだの対面対話ではなく一般的被害者と一般的加害者たち(交通違反者,少年院生,受刑者など種々あり)の間のコミュニケーションを高度化し,相互に他者認識の方向転換をもたらそうとする。方向転換とは怪物視,逆襲者視を転換することを意味し,よって各人の精神的安全保障につなげることを意味する。この種のコミュニケーション実践は英米ではパネル(米国では被害者衝撃度パネル<VIP>,英国では青少年犯罪者パネル〈YOP〉など)と呼ばれる。日本では被害者が講獅やリーダーとなって持たれる講演会,グループワークの類である。本年度は英米の文献資料を当たって日本語版実践手引きなどのデータベースを作成し,海外に実態調査して情報収集をした。少年院や刑務所を訪問してパネル活動をしている被害者から聞き取り調査を行った。その場合被害者の動機,意識は種々あることが分かり,今年度も引き続き調査する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 〈犯罪被害者〉イメージの構築における現状と課題2008

    • 著者名/発表者名
      細井 洋子・鴨志田 康弘
    • 雑誌名

      東洋大学21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター研究年報 5号

      ページ: 85-102

  • [雑誌論文] 犯罪者の社会的包摂と就労支援2008

    • 著者名/発表者名
      小長井 賀與
    • 雑誌名

      更生保護と犯罪予防 149号

      ページ: 46-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本における調停-その概念、イデオロギー、現実-2007

    • 著者名/発表者名
      樫村 志郎
    • 雑誌名

      神戸法学雑誌 57

      ページ: 1-31

  • [雑誌論文] 児童虐待と修復的実践2007

    • 著者名/発表者名
      小長井 賀與
    • 雑誌名

      犯罪と非行 154号

      ページ: 122-40

  • [学会発表] 精神科医療機関における犯罪被害者の診療の実態2007

    • 著者名/発表者名
      辰野 文理
    • 学会等名
      日本被害者学会第18回学術大会
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2007-06-09
  • [図書] 犯罪被害者・家族支援の根本を問う-公助・共助・自助の均衡パラダイム(現代人のこころのゆくえ2)2008

    • 著者名/発表者名
      細井 洋子・鴨志田 康弘
    • 総ページ数
      5-42
    • 出版者
      東洋大学21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター
  • [図書] 司法福祉(生活支援の社会福祉学)2007

    • 著者名/発表者名
      小長井 賀與
    • 総ページ数
      167-180
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] 修復的司法のパラダイム(社会のなかの刑事司法と犯罪者)2007

    • 著者名/発表者名
      高橋 則夫
    • 総ページ数
      114-124
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 序論:犯罪の社会的構築主義理解, 刑事人民主義思想, 現代版国家鎮護(社会のなかの刑事司法と犯罪者 所収)2007

    • 著者名/発表者名
      西村 春夫
    • 総ページ数
      3-22
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] エピローグ:ポピュリズム刑事政策の到来と批判的立場への課題(社会のなかの刑事司法と犯罪者)2007

    • 著者名/発表者名
      宮澤 節生
    • 総ページ数
      579-594
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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