研究概要 |
全国の大学博物館においては、大学の教員・スタッフが学芸員的人材として研究・教育と同時に展示等の活動を行っていることが多く、標本の整理や管理が十分に行き届かない事態に陥りがちである。当研究プロジェクト「ICタグ(RFIDタグ)を用いた標本管理法の標準化と応用」では、今やスタンダードとも言えるWEBベースのデータベースを情報フローの中心に据え、ICタグをツールとして標本整理と展示を関連づけることにより、標本整理作業の効率化を計ると共に、標本管理に係る博物館のアクティビティを展示として外部につなげるものである。 当館の2力年にわたるプロジェクト推進の結果としては、 ・予算内でのシステム構築のため、ICタグの読取と登録ができる「スターターキット」を導入し、アルバイト人員とともにシステムのキャリブレーションを行った。あくまでスターターキットであるため機能に制限があったが、管理用データベースを自前で用意するなどしてシステムを構築した。 ・当館の8部屋・137キャビネット、約5,500箱の昆虫標本のデータベース化が終了し、当館ホームページに一般公開された(http://museum-sv.museum.hokudai.ac.jp/databases/insectag/)。 ・8部屋中1部屋・1,500箱にタグを貼り、ハンディタグリーダ、専用ネットワークを導入してケーススタディの場を構築した。既に作成したマニュアルをもとに、昆虫体系学分野教員をトップとした20名の当館所属昆虫標本ボランティア説明会開催を行う(4月中旬予定)。 ・標本の動きをリアルタイムで見ることができ、標本管理に係る博物館のアクティビティが館外に見えるWEBベースのインターフェイスを現在作成中である(4月中旬公開予定)。
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