研究概要 |
具体的内容:1.鑑賞支援方法の開発とデザイン:2007年4月,5月(2006年-)本研究は,豊かで充実した鑑賞体験を獲得することを目指している。鑑賞経験の少ない人を対象とし,参加者自身の携帯電話を使用した鑑賞支援のデザインをおこなった。2.実証実験:2007年5月19日,20日,6月30日,(3日間)広島市からの後援を受け,広島市からの後援を受け,広島市内において半日で歩ける距離にある6作品を選び,実証実験を実施した。鑑賞対象は,世界平和記念聖堂(中区幟町4-29),旧日本銀行広島支店(中区袋町5-21),平和大橋(中区大手町平和大通り),原爆死没者慰霊碑(中区中島町),広島西消防署(西区都町43-10),道標(ひろしま美術館外看板前の彫刻:中区基町3-2)とした。市民を調査対象として,評価はアンケート,インタビュー,行動観察によっておこない,鑑賞者からの投稿も考察し,分析をおこなった。 意義・重要性:都市空間において景観の一部であるパブリック・アートを鑑賞対象とすることで,時間に拘束されることなく作品の鑑賞体験をおこなうことが可能であり,鑑賞を身近なものとすることができるため意義が有る。本システムを使用することにより,美術館における作品鑑賞に対する興味と関心に繋げ,さらに,地域や場の特性を活かしたパブリック・アートを鑑賞することで,参加者の都市景観に対する興味と関心を誘発することが可能である。日本の美術教育において,表現だけでなく鑑賞も重要とされつつあるため,本鑑賞支援の研究は重要である。
|