研究課題/領域番号 |
19611013
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
佐藤 優香 国立歴史民俗博物館, 研究所, 助教 (40413893)
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研究分担者 |
落合 雪野 鹿児島大学, 皇后研究博物館, 准教授 (50347077)
久保田 徹 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 特任講師 (50420427)
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キーワード | 博物館学 / 教育学 / 民族植物学 / コミュニケーション論 / デザイン / 情報デザイン / ミュージアムリテラシー / 学習環境デザイン |
研究概要 |
ラオスの展覧会(4月)、国立民族学博物館における企画展(10〜12月)、神戸大学の学生を対象にしたミュージアムリテラシーのワークショップ授業(9月)を実施した。これら3つの取り組みを、展示やプログラムづくりの実践事例にして、様ざまな試行をおこない研究を進めた。 研究の目的に照らし合わせた具体的内容については以下の通り。 1)チームアプローチによる展示手法の開発 研究を分担している3名の研究者に、研究協力者としてデザイナーを加え、4名で連携をとりながら展示を開発した。ラオスでは現地スタッフと展覧会創造の過程を共有し、移動可能でその機会にあわせてフレキシブルに展示をつくっていく手法を検討した。国立民族学博物館では、とくに研究成果を社会にひらく取り組みとして展覧会を位置づけ、その手法について検討した。 2)展示制作プロセスの共有化(ドキュメンテーション手法の開発とアーカイブ化) 取り組みのプロセスを共有するために、映像や写真、文字による記述など様ざまな手法で記録を蓄積した。共有のための表現については印刷物としてまとめる方針がみえてきており、次年度の課題として問題点が整理しはじめられている。展示図録は資料解説が主となり、いかにして展示をつくったのか、またその展示のあり方や様子がどのようなものであったかが言及されることはほとんどない。そのため、展覧会のプロセスを跡づけ共有する手法の開発はこれまでに例がない。 3)学習プログラム開発(プログラムとキット) ラオスの展覧会ではスーツケースに資料と情報をまとめて展覧会づくりの素材とした。これらをミュージアムリテラシーを育むためのキットとして活かすため、神戸大学の授業ではプログラムについて検討した。また、国立民族学博物館では、展示にあわせてワークシートとそれを用いたワークショップの開発を行った。博学連携が唱えられるが、リテラシーに焦点をあてた研究や取り組みはまだ少なく、モデルづくりが急がれる。
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