本研究の目標は、地学資料の展示実践を通じて「子どもや教師が、モノと接するときに、日常的にモノを展示し触れさせることで、何らかの学習が促進されるか」を知ることである。理科室をはじめとする学校の日常空間にて、どのような展示が行えるのか、そして展示は子どもや教師にどのような変容をもたらすのか。また展示実践により、児童・生徒が、様々な事象と出会って知らせてきたとき、大人(教師)がそれを取り上げて褒め、新しい情報や今までと異った見方を子どもたちにフィードバックしたとき、児童は新たな事象を発見したり、問題を解決することに意欲を示すことにつながるのか。本研究では、展示利用者に行動化を促す仕掛けとして「展示」を多面的に試行する。 研究1年目となる今年度は、小中学校の教育である研究協力者とともに以下のことを進めた。 1.小学校および中学校の理室調査 小学校や中学校の理科室に存在する地域地学資料の現状調査を行い、資料として、そして教材として活用していくためには何がフォローできるか検討した。 2.展示手法の検討 学校での展示実践には、どのようなことが可能かを検討。標本を演出させるための展示手法、現場で可能な手軽な展示手法などを検討した。 3.小学校での学校ミュージアム実践地域の地層展示等を実践。地学資料に限らず「学校ミュージアム)に試行した。 4.だれもが心ときめく地域地学教材の探究 展示利用者が情報を知るだけでなく行動化まで至る展示として、地域の地学的資料には何があるのか検討した。
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