研究概要 |
本研究の目的は、博物館と学校が連携し,子どもたちあるいは教師たちに"主体的な野外学習"が芽生えることを目標に,地域の自然誌資料を整備し効果的な展示を開発実践することである。そのためにつぎの4つの柱を研究の軸として,「展示」を多面的に試行する。研究2年目となる今年度は、昨年に引き続き小中学校教員の研究協力者とともに以下のことを進めた。 1.小学校および中学校の理科室調査(地域資料,とくに地学標本の把握) 小学校や中学校の理科室に存在する地域地学資料の現状調査をすすめた。とくに校区に化石産地を持つ学校では,現在では採集が難しい化石標本の存在が把握され,いくつかの標本については研究資料としての活用に至った。。 2.小中学校での「学校ミュージアム」の実践 学校での展示実践を考慮しての教室で取り組みやすい展示形態,展示における博物館あるいは地域の活用等について検討を行い,学校展示を実践した。だれでもが手軽に実践出来る展示の手だてを模索している。 3.展示手法の検討 身近な自然への興味・関心を高めるためにどのような教材が利用出来るか検討を行った。その結果,体験型のアクティビティに注目し,いくつかの材料の教材化をすすめ博物館等にてプログラムを試行した。また,自然系博物館を中心に各博物館等の展示視察をおこない,教室での展示実践の参考とした。 4.だれもが心ときめく地域地学教材の探究 展示利用者が情報を知るだけでなく行動化まで至る展示として、地域の地学的資料にはどのような材料があるのか検討した。その結果,実践の材料として人の生活に関連した自然史資料について注目することとし,フィールドワークを行い展示のための資料および情報を得た。
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