研究概要 |
本研究の目標は、地学資料の展示実践を通じて「子どもや教師が、モノと接するときに、日常的にモノを展示し触れさせることで、何らかの学習が促進されるか」を知ることである。理科室をはじめとする学校の日常空間にてどのような展示が行えるのか、そして展示は子どもや教師にどのような変容をもたらすのか。本研究では、展示利用者に行動化を促す仕掛けとしての「展示」を多面的に試行した。 学校での展示活動に関して、大井町立上大井小、横浜市立森中、秦野市立本町小等で実践的な取り組みを行った。また、地域の地学的素材、とくに化石等の調査研究に関して、山北町立清水小、山北町立清水中、横浜市立大道中等の学区地域にて自然史調査を行った。 学校ミュージアムと呼べる活動は、自由な博物館活動が可能である。また、学校ミュージアムの場が存在は、児童・生徒、教員が「コミュニケーション」、[探究・発見」、「編集・構成」、「表現」の興味を深めて活動を展開する場の提供につながる有効性が捉えられた。 学校という現場において博物館的活動を活かした学習は可能である。そして、学校ミュージアムの実践は、児童・生徒、教員の興味関心を高め、知的好奇心を育む場となり、また、それぞれの情報発信の場となる。展示情報による興味関心の高まりが、フィールドへの誘いとなり主体な活動へとつながる事例も見出された。学校ミュージアムという営みは、学校現場において新たな活動として捉えられるが、これまでの学校の営みである授業、教材、カリキュラムという視点をふまえると、それらは学校ミュージアムの活動に当てはまることわかった。すなわち、学校ミュージアム活動は、子どもたちのみならず教員にとっても有効な活動の場となることが示唆された。これらの成果は、報告書「博学連携による小中学校における地域地学資料展示の取組と子どもの変容」(田口編,2010)等で広く公開した。
|