研究課題
本研究の目的は、プレートの多重衝突帯が陸域にあらわれている南部フォッサマグナ地域の火山噴出物や地層および活断層の自然現象を教材として、学校や博物館において有効に活用できる自然災害教育プログラムに開発し、連携しながら災害教育を展開する工夫を行い、新たな博物館活動の広がりを開拓することである。2007年度は、博物館でこれまで培ってきた野外観察や自然現象の室内モデル実験、および企画展示等の既存情報の確立と、新たな情報の収集を中心に活動を進めた。モデル実験については火山噴火実験と地層の形成実験を博物館各種講座や小中学校の授業、市町教育委員会主催のイベントなどで実施して、参加者が実験内容をどのようにてらえるかの検証をおこなった。また、新たな収集した各種データをもとに、衛星画像解析による地形判読や伊豆小笠原弧北端部における伊豆弧衝突帯の変動地形と基盤岩類の解析、国府津-松田断層や平断層などプレート境界域の活断層再確認、神縄逆断層破砕帯中の鉱物同定、箱根火山起源の火山灰や箱根東京軽石火砕流降下堆積物の分布確認、箱根火山土石流堆積物の認定などを行った。その成果の一部は、後述の雑誌論文にて公表した。さらに、地震に関するデジタル情報を収集と、視覚化について検討した。2008年度は、上記の成果をもとに自然災害を自然現象として科学的に理解できるプログラムの開発を目指し、博物館利用者による試行実習を行って検討するとともに、学校や他の博物館で評価を受ける。
すべて 2008 2007
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神奈川県立博物館研究報告(自然科学) 37
ページ: 1-12
ページ: 13-16
神奈川県立博物館調査研究報告(自然科学) 13
ページ: 91-110
ページ: 135-156