研究課題
博物館の生物被害対策としてIPM(有害生物管理)を市民との協同により進めるためのシステム構築を目的に基礎的な研究を行うことを目的とした。今年度は、昨年度の実績を踏まえ、博物館におけるIPM体制維持のためのボランティア活動についてのプログラム作りができ、また、地元NPO法人の導入も順調にすすみ、直接参加型市民活動としてのIPMによる博物館危機管理システムの構築に向けての計画を着実に進めることができた。市民によるIPM活動のモデル構築の一環として、4回にわたり、「市民協同型IPM研究会」を開催した。一般公開は1回とし、基本的には九州国立博物館ボランティアや地元NPO法人等既に何らかのIPM活動経験者に絞り、実践的なテーマで3回実施した。その結果、昨年に引き続き、同研究会参加者の中から、今後の研究活動の実質的作業を進める市民グループが形成される地盤が整ってきた。なお、研究会の成果については、収録DVDによりボランティア研修会等市民向けに活用、普及をはかっている。こうした活動の指針となる関連機関のIPMに関する取り組みについてヒアリング調査を実施し、さらにIPM活動の実務に深い関心を寄せる市民に対して、より実務的な研究会(IPM活動ワークショップ)を開催した。このワークショップ参加者の中で形成されたワーキンググループを市民レベルでの実践的研究活動母体へと指導育成し、今後の連携・協同を目指す課題を導きだすことができた。
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