衛星による積雪観測テータのうち全球気候モテルの検証に必要な領域・期間・時間空間解像度を満たすものを調査した結果、米国National Snow and Ice Data Center(NSIDC)で提供されているNorthern Hemisphere EASE-Grid Snow Cover and Sea Ice Extent Version 3を検証データとして採用することとし、全球気候モデルによる数値実験結果と比較するために積雪被覆率を算定するプログラムを整備した。本データは1966年10月〜2007年6月のデータが利用可能であり、長期間データを数値実験結果と比較できるようにするとともに、その変動特性を解析する予定である。 一方、これまでに実施されてきた全球数値モデル実験を調査して、モデル検証に適切なものを選定した。全球陸面オフライン実験では地表面付近の大気条件を入力データとするため陸面水文過程のプロセスを解析するのに適しており、1986〜1995年を対象とした緯度経度1°の空間解像度での実験(GSWP2;Global Soil Wetness Project 2)を採用することとした。全球大気モデル(AGCM;Atmospheric General Circulation Model)実験では観測された海面水温分布を与えて大気過程・陸面過程を計算するため大気陸面相互作用を含めた解析に適しており、1979〜1996年を対象とした緯度経度約100kmの空間解像度での実験(AMIP2;Atmospheric Model Intercomparison Project 2)を採用することとした。このほか1850〜2000年を対象としたAGCM実験(空間解像度約250km)や大気海洋結合モデルによる実験(空間解像度約100kmまたは約250km)があり、これらについても調査を行う予定である。
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