研究課題/領域番号 |
19612005
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
川合 義美 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (40374897)
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研究分担者 |
和田 章義 気象庁気象研究所, 台風研究部, 主任研究官 (20354475)
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キーワード | 大気海洋相互作用 / リモートセンシング / 海洋物理・陸水学 / 自然現象観測・予測 / 大気海洋結合モデル / 日変化 / 海面水温 / 植物プランクトン |
研究概要 |
本年度は昨年度までに行った表層クロロフィル濃度及び海面水温(SST)の衛星観測データ解析結果を論文にまとめて査読付論文誌に投稿し、更に国際学会において成果発表を行った。この研究により日本周辺海域で大気擾乱の通過によりクロロフィル濃度がどの程度急変するかについて知見を得た。これを踏まえてクロロフィル濃度に対するSST日変動の感度を簡単な数値実験により評価したが、SSTの違いは予想したよりかなり小さいものであった。また、大気海洋結合モデルを用いた数値実験も引き続き実施した。本年度は2005年の台風Hai-Tangを対象に、SST日変化が台風強度予測に与える影響を調査した。その結果、SSTの日変化を考慮すると考慮しない場合に比べて中心気圧に小さいながらも差が生じ得ることが分かった。SST日昇温は台風の進行方向前面で明瞭になる。つまり進行方向前面におけるSSTの差が大気下層の温度や水蒸気量に違いを生じさせ、それが台風の発達に影響したと考えられる。台風予測においては比較的小さなSSTの変動も重要であることを示唆する結果となった。また引き続き、西日本とその周辺海域を含む領域での梅雨期の事例を対象とした実験も並行して進めた。数値モデルで表現された大気場の違いが比較的小さなSST日昇温に起因する有意なものであるかどうかを確かめるため、本年度はSSTの場にランダム誤差を付加した実験を実施した。この結果については21年度以降も解析を進めている。
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