2003年5月からOECDで「遺伝子関連発明のライセンス供与に関するガイドライン」の策定作業が行われ、2006年2月に同ガイドラインが理事会で採択されることとなった。 初年度の調査研究により、このガイドラインは、学術研究と商業的開発の両立を目指すガイドラインとして、バイオ・生命科学にとどまらず、広く大学・公的研究機関の研究者や研究管理担当者の関心を集めていることが明らかになった。 2年目の本年は、調査の対象をバイオ・生命科学分野に限定せずに、このガイドラインの波及効果をヒアリング形式により明らかにすることを試みた。このための研究会を設置し、検討を行った。その結果、ライセンス・ガイドラインの次なる段階として、特許発明に対するアクセス性を高めるための仕組みが求められていることが明らかになった。 特許発明に対するアクセス性を高めるための仕組みとして、モデル・ライセンス契約の策定、特許権を集合的管理するパテント・プールの構築、パテント・クリアリングハウスの構築などが挙げられる。これらの実例に関して、いくつかの国・プロジェクトにおける運用の実態を調査し、法的ならびに組織論的な課題を抽出した。
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