2003年5月からOECDで「遺伝子関連発明のライセンス供与に関するガイドライン」の策定作業が行われ、2006年2月に同ガイドラインが理事会で採択されることとなった。このガイドラインは、学術研究と商業的開発の両立を目指すガイドラインとして、広く注目されている。 本年は、企業の発明者がこの問題についてどの程度の認識を有しているのかを調べるため、アンケート調査を実施した。その調査内容は、以下のようなものである。特許権・ノウハウが存在していることや、契約がスムーズに行えないことが原因となって、研究開発が遅延したことや中止に追い込まれたことがあるか。特許権・ノウハウ・マテリアルのうちいずれが、そのような遅延や中止をもたらしたか。また、それは、大学・公的研究機関が保有するものであったか、企業が保有するものであったか。OECD「遺伝子関連発明のライセンス供与に関するガイドライン」をはじめとするいくつかのガイドラインに関する知識。 本調査では、日本企業のうち、製薬企業(大手製薬企業とバイオベンチャー)に着目した。大手製薬企業に関しては、2008年の売上げ上位10社(IMS医薬品市場統計による。外国企業を除く。)をピックアップし、バイオベンチャーに関しては、2009年9月時点で株式上場している企業23社をピックアップした。ピックアップした企業の特許文献(2005年以降に出願したもの)に着目し、各社において特に重要度の高い特許の発明者となっている方々をリストアップした。計332名に対して個人名宛でアンケート質問表を送付したところ、回収率は約50%であった。
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