医学領域の知的財産マネジメントにおける第一段階の「医療現場からの医薬品・医療機器等の開発ニーズ(アイデア)発掘」に関して、発掘されたニーズに対する先行特許調査、市場規模予測等を行う時期についての分析を進めた。第二段階の「医療現場からの開発ニーズと企業の技術シーズのマッチング」に関しては、これまでに企業に開発ニーズを提供した案件の中で、発展するマッチング方法の傾向について調査・解析を行った。第三段階の「医療関係者と企業との共同開発」に関しては、これまでにも共同・受託研究契約の締結の際に、将来的に治験等で要する費用までを考慮に入れた実施料支払いに関する条項や、臨床研究に発展することを前提として被験者に対する個人情報保護や健康被害が発生した場合の補償の負担等に関する条項を盛り込んできたため、その交渉事例を整理した。第四段階の「倫理審査及び安全性審査の上で行われるヒトを対象とした臨床研究」に関しては、これまでに培われてきた医倫理委員会と産学官連携推進本部との密接な関係で得られたノウハウに加えて、臨床研究に係る利益相反マネジメントに関する事例をまとめた。さらにこれらに関する国内外の情報収集を進め、新規事例については、これまでの事例を反映しつつ随時対応した。第五段階の「治験・薬事申請」では今後、医学研究機関・医療機関としても「治験・薬事申請」を行う側のノウハウを構築していく必要があるため、他機関等の情報も含めて検討した。第六段階の「認可・販売」における販路確保や保険適用に関する情報収集を行った。加えて、医学領域の知的財産マネジメント人材候補者に対して、OJTでのノウハウ習得を実践した。
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