本研究全体の目的は、従来のモダン・マーケティング研究における課題を踏まえつつ、認知科学、広告論、消費者行動研究などにおける学際的理論と既存研究を渉猟し、「動画像情報(動画像広告)を用いた消費者・企業による製品イメージの共創モデル」を構築、検証することにある。本年度においては、内外における心理学、認知心理学、広告論、ブランド論などの既存研究を渉猟し、また、消費者の画像情報に対する嗜好調査(予備調査)を実施し、「動画像情報(動画像広告)を用いた消費者・企業による製品イメージの共創モデル」を構築するための予備的モデルを作成した。 具体的には、はじめに、ネット上でのマーケティング・コミュニケーションに関する先行研究を踏まえ、フレームワークの設定を行った。次に、それらのフレームワークを踏まえて、商品イメージ共創をモデル化するための前提条件を抽出した。さらに、それら前提条件を克服し得る予備的モデルの構築を試みた。先行研究としては、ネット上でのマーケティング・コミュニケーションについての論考、さらには画像を媒体としたネット・コミュニケーションに関する研究を取り上げた。最後に、アンケート調査を実施し、構築した予備的モデルの検討を行った。
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