本研究全体の目的は、従来のモダン・マーケティング研究における課題を踏まえつつ、認知科学、広告論、消費者行動研究などにおける学際的理論と既存研究を渉猟し、「動画像情報(動画像広告)を用いた消費者・企業による製品イメージの共創モデル」を構築、検証することにある。 本年度においては、前年度に作成した予備的モデルを踏まえ、最終モデルの作成に取り組んだ。はじめに企業のマーケティング行動ならびに広告コンテンツについての考え方や戦略を把握するために、100社を超える技術系企業に対してアンケート調査を実施した。その調査成果は、別記の著作(共著、研究代表者が平成20年度に執筆)に詳述されている。さらに、広告を受け取る側である消費者の広告嗜好ならびにコンテンツ嗜好を調査すべく、アンケートサイトの構築準備に取り組んだ。企業サイドにおける広告コンテンツ発信に関する行動調査と消費者向けアンケートサイトの基礎部分が完成したことで、平成22年度における最終モデル作成ならびにその検証の見通しが立ったことが本年度の成果である。
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