生体深部をin vivoイメージングすることを目標に、近赤外蛍光体・多色ルシフェラーゼを融合させ、2つの物質間に生じるエネルギー移動を利用し、融合体より最大発光波長650-750nmの光を発する近赤外発光プローブの創製を目的とする。本年度は具体的な課題として、最大発光波長535-630nm波長で励起できる近赤外蛍光体(ナノドットを含む)の合成、多色ルシフェラーゼの構築、及び多色ルシフェラーゼと近赤外蛍光体との融合法について検討した。 その結果、 ・ 多色ルシフェラーゼ候補として、ホタル及び発光甲虫の変異体等を作成、発光特性と構造機能相関より、ドナー発光体として発光色を制御可能な局所構造を検討した。(Photochem Photobiol Sci、 Photochem Photobio1誌に論文掲載) ・ 多色ルシフェラーゼ候補として、ウミホタルルシフェラーゼを検討、ルシフェリン類縁体と組み合わせることで発光色を制御できることを明らかにし、併せてビオチン化しても発光活性が低下しないことを明らかにした。(本研究成果の一部はAnalytical Chemistry誌に論文掲載) ・ ビオチン化ウミホタルルシフェラーゼを作成、東大山野井と検討した近赤外蛍光体とビオチンを介して結合、融合体を作成した。融合体の発光特性を測定した。発光量は減少しないが、本来の青色光の他に、発光波長650-750nmの近赤外光を発することに成功した。
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