研究概要 |
1.レーザプロジェクタの安全な取り扱いのため,文献調査と,レーザーアートアンドサイエンス協会による安全対策に関する研修を受講し,取り扱い上の注意事項を中心としたマニュアルを作成した.なお,プロジェクタとして,Unite Star(香港)社のFire Phoenixシリーズ,300mW,8色カラーを購入して実験を行った. 2.可視化媒体の拡大と特性を調べるために,今年度は,スモーク,積雪,降雪,また水と牛乳の混合液に対する放射実験を行った.その結果,スモークはビームの可視化に適すること,積雪上へのビーム投射は内部散乱のためビームが太く可視化されること,降雪では,降雪状態にもよるが,ビームの可視化が可能であること(ただし,プロジェクタ側への反射光は非常に小さく認識が難しい),水だけでは可視化効果がほとんど無いこと,牛乳濃度0.1%程度ではビームの可視化に適し,濃度が高くなるにつれて,散乱により照明効果がえられることなどが分かった.また,空気中でもエネルギー(輝度)の減衰が大きく発生することが分かった. 3.天空放射でのパターンの可視化可能性の基礎調査を行ったが,上記プロジェクタでは,エネルギー減衰が大きく,平行ビームの消失点は認識できなかった.よりレーザ強度の強いプロジェクタで実験するか,シミュレーションによる検討も考慮する必要があると思われる. 4.効率的で自由度の高いビーム投射技術の開発のため,本年度は当初計画に加え以下のような技術開発を行った.レーザプロジェクタでは,構成要素の動作速度など特性の違いにより,動作タイミングをうまく取らないと想定通りの描画はできない.そのため,効率的な一筆描きの構成法,タイミングを自動的に取るチューニング法,並列投射を可能とするためのキャリブレーション法の基礎的な検討を行い,プロトタイプを開発した.
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