研究概要 |
本研究では,フィールド研究用を支援するためのメディアとして,データ収集,情報交換/コミュニケーション,コンテンツ化の機能が有機的に結合した情報メディアの将来像をフィールド研究に利用しながら実証的に探ることである.平成19年度は以下のように研究を進め,良い進歩が得られた. (a)ウェアラブルなカメラから得られる映像記録(個人行動記録)断片を中村らが提案する「隣接性」に基づいて関連付け,それが装着者の行動記録を検索するよい手設となることを明らかにした.具体的には,画像特徴,動き,位置,時刻等から重要な関連性を発見し,適合性フィードバックを用いながら検索することにより,検索キーに関連しそうなデータを効率よく探し,関連しそうなデータできるだけ拾いなぶら有用なものに絞り込んでいくことができる.今後,大量のデータについてその有効性を検証していく予定である. (b)映像通信を行いながらその行動記録をとる「遠隔対話型行動記録」を提案した.この枠組みでは,学習者や非熟練者がフィールドで行動する際に,遠隔地にいる指導者や専門家の指示をリアルタイムで受けながら作業や学習を行なうことを想定している.多くの人間が入り込むことが難しい場所や専門家を直接現地に呼ぶことが難しい場合などに利用できる.本研究では,そのためのプロトタイプシステムを試作し,実際にデータを収録した.また,そのデータを解析する手法を提案した.これにより,得られた記録が行われた作業内容の分析や訓練・教育用の記録として有用なものとなることがわかった.今後,このシステムを種々の場面で活用していくとともに,自動処理による行動記録のインデックス付与などを行っていく予定である.
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