研究概要 |
本内容は,微小永久磁石,磁気感受素子,制御電磁石を組み合わせた手指装着型磁気浮上器具の研究開発を目的としている。この器具を装着することで,通常は眺めることしかなかった磁気浮上技術をより身近に体感できる。また磁気浮上器具で対象物をスキャンすることで,対象物の形状検出,形状認識の可能性を持つ。 本年度は,磁気浮上器具の設計と製作を行い,対象物浮上のための基礎実験を行った。制御電磁石のコアはリング状であり一般的な指の太さとコイル厚みを考慮して設計した。制御電磁石にコイル,ネオジ系永久磁石を設置し,さらに開磁路構成とすることで,浮上体との距離を定常位置3mmで確保している。制御電磁石の最下部にはホールICが設置され,距離変換用センサとして利用される。製作した磁気浮上器具に対しFEMによる磁束密度解析と筐体取り付け時での浮上力測定を行い,定常位置で0.11N程度の支持力が得られることを確認した。電磁石およびセンサ以外の制御環境もセットアップし,ノートPCと小型SW電源,パワーアンプ回路,演算用DSP(S-Box)によりポータブル化を実現している。さらにネオジ系磁石のバイアス磁束によるゼロパワー近傍での制御を実施し,熱の発生を防ぎ,より装着しやすい状態を検討している。現在,手指装着状態による浮上制御実験を行っている。
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