研究課題/領域番号 |
19650024
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
千原 国宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80029561)
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研究分担者 |
眞鍋 佳嗣 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (50273610)
井村 誠孝 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (50343273)
池田 聖 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40432596)
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キーワード | バーチャルリアリティ / マルチモーダルインターフェース / 嗅覚 / 認知科学 |
研究概要 |
本研究ではこれまで、視覚による嗅覚への影響を測定するために、提示された嗅覚刺激の種類を判別する能力を指標としてきた。本年度は、視覚-嗅覚相互作用には逆方向の影響、すなわち嗅覚から視覚への影響もあると考え、この程度を調査するための定量性のある実験手法を検討した。嗅覚刺激が先に提示されている条件下で、視覚刺激を提示し、嗅覚刺激と視覚刺激の一致・不一致を回答するタスクにおいて、嗅覚・視覚刺激の一致・不一致が回答までに要する時間に影響を与えるかどうか、実験により検証した。6名の被験者に対し、5種類の果物を提示刺激として用いた実験を行ったところ、回答までの所要時間には一致・不一致による有意な差は生じなかった。刺激を判別する速度を感覚相互作用の影響の指標として使用することは難しいことがわかった。 また、感覚相互作用に関して、実像とコンピュータグラフィクス像による視覚刺激の違いが他感覚に与える影響について調査した。視覚刺激として、鏡面に映った実像と、カメラでキャプチャした画像を液晶ディスプレイに提示した映像の二種類を用いることとした。嗅覚への影響を定量的に評価する手法の確立が困難であったため、体性感覚に与える影響の度合いを検証した。実験にあたっては腕を所定の位置に置くタスクを考案し、定量的な評価を実施した。10名の被験者に対する実験の結果、液晶ディスプレイに表示された映像であっても、鏡面像と比較すると程度は小さいものの、映像の非提示状態と比較すると有意な差で腕の置く位置に影響を与えることが示された。
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