研究概要 |
平成19年度は匂い成分であるエタノールガスの気相系での発光現象の実証実験を実施した。 発光現象の確認ではまず、アルコール酸化酵素の触媒反応で生成される過酸化水素(H2O2)に対するルミノール発光を、既存設備である微弱発光計数装置にて確認した。実験では、微弱発光計数装置の暗箱内に、ペルオキシダーゼ(HRP)を固定化した膜にルミノール試薬を浸し設置した。一定濃度の過酸化水素溶液を付加したところ、過酸化水素濃度に応じた発光現象を確認した。次に同様なシステムを使って、エタノールガスのルミノール発光検出を進めた。エタノールガスの発光では、アルコール酸化酵素(AOD)とペルオキシダーゼ酵素(HRP)を固定化した膜に、ルミノール溶液を含浸させ、標準ガス発生装置を用いて発生した一定濃度のエタノールガス(50.00〜1500.Oppm)を一定流速(200ml/min)で固定化膜に付加したところ、アルコール酸化酵素の触媒反応で生成された過酸化水素(H2O2)をペルオキシダーゼ(HRP)によるルミノール発光へ誘導することができ、アルコール濃度に応じた青色発光が観察され、微弱発光計数装置にて連続モニタリングすることが可能であった。 また匂い成分の画像化を行うため、匂い成分情報視覚化イメージング装置の構築を進めた。本装置の構築では、主に高感度CCDカメラ(波長:400〜1060nm,照度レンジ:1m〜100,000lux)のほか、気相実験が可能な暗ブースと暗箱の2重構造の空間を作製し、今後のガス画像計測への準備を整えた。
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