研究概要 |
人間の視覚にとって見えにくい状況にあることを,機械で自動的に認識する技術は,画像認識システムを使って適切に人間を支援する際に必要な技術である.例えば,自動車の運転支援などで,画像認識によりドライバーを支援する技術などの開発が進んでいるが,人間は,常時,画像認識による支援を望んでいるわけではない.本当に支援が必要なのは,人間が逆光やその他の原因により前方の信号や標識が見えにくいときや,見落としそうな状況のときである.本研究は,これら視認性の自動認識手法の開発にある. 本年度は,交通信号機を例に,多数の事例画像をデータ収集し,視覚的に認識しにくくしている要因は何かを検討した,まず,静止画像で屋外を中心にさまざまな場所,さまざまな時間の画像データを収集した.信号機の視認性は.信号機がどこにあるかがわかりにくいという場合と,信号機のどの色の電球が光っているかが判別しにくい場合がある.更に,周囲が明るい場合と暗い場合でしくみが異なることが予想される.そこで各場合に分けて,それぞれの場合を画像処理により数値化し,その数値を被験者によって確かめる実験を行い,どのような特徴が信号機を見にくくしているかの傾向を分析した.
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