研究概要 |
本年度は、研究の2年目にあたり、以下の事項(1)〜(5)について研究を進めた。 (1)実数値バッグと一般化バッグの概念整理を行い、その理論的性質について考究を進めた。新たな概念として、2種類の補集合演算、t-ノルム、コノルムなどについて考察した。この結果の一部について研究発表を行った。(2)クリスプバッグとファジィバッグにもとつく素朴前確率論というべき概念について考察している。直積と独立性、合併・共通部分と完全従属性などについて成果を得ているが、これらについての研究発表は現在検討中である。(3)クリスプバッグにおける相対的全体集合族の仮定と確率論,条件付き確率族への対応について考察を進めている。ベイズ確率モデルの概念とクリスプバッグモデルとが密接な関係をもつこと、ファジィバッグを用いたときの独立性の仮定がファジィバッグのモデルにおいて適切かどうかについて、前項の結果をもとに考察している。(4)バッグベースデータマイニングモデルについて検討し、バッグ関係の有用性に着目した。バッグ関係について研究発表を行った。(5)バッグ近傍モデルにカーネル法に基づくテキストデータ解析の手法を応用し、テキストマイニングやテキスト検索に適用した。成果を国際会議で発表した。 当初の予定にあった可能性理論、ガロア対応については、短期的には著しい成果を挙げることは難しいように思われるが、その一方で、(4)、(5)は当初の予定にない成果であり、今後の研究方向として有力である。全体的には、当該主題は、当初の予想を超えて豊かな成果が期待できる。
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