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2007 年度 実績報告書

結合問題に関する選択的不感化理論の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19650059
研究種目

萌芽研究

研究機関筑波大学

研究代表者

森田 昌彦  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00222349)

研究分担者 森田 ひろみ  筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 講師 (00359580)
キーワード結合問題 / 視覚情報表現 / 選択的不感化 / 2属性仮説 / メンタルローテーション
研究概要

視覚系において,色・形・動きなど異なる視覚属性を処理するモジュールの情報をどのように統合し,一体のものとして認知し処理するかという結合問題(バインディング問題,結び付け問題ともいう)は,脳の認知メカニズムを解明する上で重要かつ未解決の難問である.本研究の目的は,「選択的不感化」という情報統合の原理に,脳では2属性までしか直接結合されないという2属性仮説を組み合わせることによって,この問題が解決可能であることを理論的に示すと共に,その妥当性を心理物理実験により検証することである.本年度は,そのための基礎的,準備的な研究およびそれに基づく関連研究を行った.主な成果は以下の通りである.
1.理論的検討:選択的不感化原理と一般化した2属性仮説とを組み合わせることによって,非線形多変数関数を効率的に近似できる神経回路モデルを構築した.また,これを強化学習の価値関数の近似器として用いることにより,学習効率を大幅に向上できることを示した.これは,間接的に我々の理論の有効性を示すと同時に,情報処理モデルとしての有用性を示すものであり,特許出願も行った.
2.心理物理実験(1):メンタルローテーションを用いて,属性間結合の性質を調べた.部分的に着色された幾何学的図形を用いて,テスト図形を頭の中で回転させたものがサンプル図形と一致するかどうかを実験参加者に答えさせところ,メンタルローテーションの処理において扱われる物体表象は,属性が統合したものではないことを示す結果が得られた.
3.心理物理実験(2):両眼視野闘争を用いた実験により,2属性仮説を支持する結果が得られた.左右眼に異なる3属性図形を提示した場合,両眼視野闘争が生じるが,その図形の属性を2つずつ高速で逐次提示しても同様の視野闘争が生じ,3属性図形が知覚されることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 選択的不感化ニューラルネットを用いた強化学習の効率化2008

    • 著者名/発表者名
      森田昌彦、新保智之、蓮尾高志、山根健
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告(NC) Vol.107, No.542

      ページ: 355-359

  • [学会発表] 順序学習を利用した手続き記憶に関する心理学的研究2007

    • 著者名/発表者名
      坂田正伸、森田ひろみ
    • 学会等名
      日本心理学会第71回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-09-19
  • [産業財産権] 特許2007

    • 発明者名
      森田昌彦
    • 権利者名
      国立大学法人筑波大学
    • 産業財産権番号
      特願2007-231085
    • 出願年月日
      2007-09-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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