研究概要 |
本年度は,キネマ旬報2006年度版の評価に基づく,日本映画ベスト3およびワースト3(100位中)のDVDの動画像の評価を統計的に評価するところから始めた.10人の被験者に映像存見てもらい.感動イベントをタイムスタンプとして記録するためのシステムの構築を行った.現状では同時に10人までのデータを取るようになっている.これらのデータは多変量点過程のデータとして扱えるように構成されていて.コンテンツにおける感動イベントの時間的分布および推移を見るには有効であることがわかった.再発事象のモテリングとして.Nelson(2003)の方法があり,これを利用して.映画間のインテンシィティの比較を行った.映画ごとのイベント生起は独立であることを仮定したが実際には独立な被験者を得ることはむずかしく,また個人差をも考慮したモデルを開発する必要があることがわかった.また,コンテンツにおける全フレーム数に占める感動イベントフレームの割合が極めて小さく,両者の画像の比較を行うには,サンブリンクの工夫などを行う必要がある. また.感動イベントと同期したフレーム画像のクラスター分析を行うべく.画像のピクセルの輝度値データの多変量解析を試みた.1つのピクセルを1つの数として解析を行ったために,トリビアルな結果となってしまったが,画像内のオブジェクトの認識を行うことによって変数を減少させることで対応する見通しが得られた.
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