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2007 年度 実績報告書

RNA干渉を用いたインビボ神経節遺伝子発現ノックダウン法の臨床応用可能性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19650095
研究種目

萌芽研究

研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

加藤 総夫  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20169519)

キーワード脳・神経 / 神経科学 / 生理学 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / RNA干渉 / 遺伝子治療 / ATP受容体
研究概要

すでに開発したin vivo神経節gene silencing法の応用として、今年度はまず節状神経節におけるVGLUT1分子(SLC17A7)のノックダウンを試み、小胞内へのグルタミン酸取り込みを担う分子の発現阻害によって一次求心線維から孤束核2次ニューロンへの高頻度持続的伝達が障害されるという作業仮説の検証を試みた。予想に反し、節状神経節内のVGLUT1mRNA発現量は対VGLUT1分子siRNA導入によってのみならず、PBS導入群およびランダム配列siRNA導入群によっても有意に減少した。2007年にVGLUT1発現量が細胞の軽微な損傷などよって変化するという報告があったため、この非特異的な発現量の減少は電気穿孔法もしくは神経節周囲の手術操作によって生じていた可能性がある。そこで、ノックダウンの対象をP2X3サブユニソト分子(p2x3r)とし、同様に神経節にsiRNAを導入したところ、3種のsiRNAのいずれによっても選択的(PBSおよびrandom siRNA導入の影響はほとんどなし)かつ効率的な(いずれのsiRNAでも5-10%まで低下)mRNA量減少が生じ、さらに、導入11-15日後に行った免疫組織化学標識の結果、孤束核におけるP2X3サブユニット発現はsiRNA導入側特異的にほぼ消失していた。脳スライスにおいてシナプス前P2X受容体活性化によるグルタミン酸放出促進を観察したところ、siRNA導入側においてATPに反応するがα,β-methylene ATPに反応しないニューロンが認められた。以上の結果は、in vivo神経節gene silencing法によって、mRNA量、タンパク発現量、機能的表現型のすべてが効率的に修飾され、うる事実を示している。平成20年度以降、呼吸の化学応答、あるいは圧受容器反射に及ぼす影響をin vivoで観察する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Gene silencing and transfer of presynaptic proteins at the rat primary afferent ganglion in vivo2008

    • 著者名/発表者名
      加藤 総夫
    • 学会等名
      基礎生物学研究所研究会遺伝子導入法の神経研究への応用
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      20080208-09
  • [学会発表] In vivo gene silencing of mammalian presynaptic adenosine receptors2007

    • 著者名/発表者名
      Kato, F
    • 学会等名
      Second Joint Italian-German Purine Club Meeting
    • 発表場所
      Leipzig, Germany
    • 年月日
      20070912-15
  • [学会発表] In vivo神経節ノックダウン法を用いたシナプス前分子の機能解析2007

    • 著者名/発表者名
      田村 友穏、山田 千晶、鈴木 岳之、加藤 総夫
    • 学会等名
      第1回先端分子薬理学研究会.
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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