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2008 年度 実績報告書

骨格筋の発火に必須の新規遺伝子SH3P1の機能解析、及び疾患との関連

研究課題

研究課題/領域番号 19650101
研究機関名古屋大学

研究代表者

平田 普三  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60402450)

キーワード筋 / 変異体
研究概要

研究代表者はエチルニトロソウレアを変異原に用いて変異体スクリーニングを行い、ピンセットでつつく刺激を与えてもほとんど動かない変異体を単離した(以下、これを単に変異体と呼ぶ)また、この変異はメンデル遺伝することから単一の遺伝子の変異によるものと思われたが、実際に責任遺伝子のマッピングを行い、変異を6番染色体上の50kbの領域にしぼり、さらにその領域にある遺伝子をクローニング、シークエンスすることで、新規遺伝子SH3P1に変異を見いだした。SH3P1のイントロンのスプライシングアクセプター部位に点変異があり、選択的スプライシングに異常が生じて終止コドンが生じるため、正常なSH3P1タンパクが合成されないことを見出した。本研究はSH3P1の機能を解明することで、この変異体における運動異常のメカニズムを明らかにし、その知見のヒト疾患への応用を目指すものである。電気生理実験をさらにおし進め、運動時の筋電位変化をパッチクランプ法で測定する実験を行った。運動を誘発する触刺激のシグナルは感覚ニューロン→介在ニューロン(脳)→運動ニューロンを介して筋に伝えられ、正常個体の場合では30Hzの脱分極を筋で起こすことが知られているが、変異体でも30Hzの電位変化が同様に観察されたことから、変異体では筋に異常があることが示唆された。実際にSH3P1のmRNA発現を調べると、筋で強いシグナルが見られた。これは筋に異常があることと合致する結果である。また、SH3P1を特異的に認識するモノクローナル抗体の作製をし、局在の解析を試みたが、免疫染色で明確な細胞内局在は分からなかったが、筋細胞全体でシグナルが検出された。アンチセンスモルフォリノを用いたノックダウン実験で、変異体の表現系がコピーできたこと、正常型mRNAを導入するレスキュー実験で変異体の運動を回復できたことから、変異体の責任遺伝子はSH3P1であると必要十分に確認できた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Zebrafish muscular disease models towards drug discovery.2009

    • 著者名/発表者名
      平田普三, 他
    • 雑誌名

      Expert Opin Drug Discov (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification and expression of voltage -gated calcium channel βsubunits in zebrafish.2008

    • 著者名/発表者名
      Weibin Zhou, et al.
    • 雑誌名

      Dev Dyn 237

      ページ: 3842-3852

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ゼブラフィッシュの運動と行動2008

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 雑誌名

      細胞工学 27

      ページ: 1125-1130

  • [雑誌論文] 硬骨魚類の逃避運動制御のメカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      平田普三, 他
    • 雑誌名

      実験医学 26

      ページ: 1869-1874

  • [学会発表] Rohon-Beardニューロンの異常による逃避運動の欠如2009

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      2009 NIG Zebrafish Meeting
    • 発表場所
      国立遺伝学研究所
    • 年月日
      20090318-20090319
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ触刺激応答異常変異体の解析2008

    • 著者名/発表者名
      中野由梨, 他
    • 学会等名
      第14回小型魚類研究会
    • 発表場所
      岡崎カンファレンスセンター
    • 年月日
      20080920-20080921
  • [学会発表] ゼブラフィッシュの運動異常変異体の解析2008

    • 著者名/発表者名
      中野由梨, 他
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-20080711
  • [学会発表] Zebrafish ryanodine receptor mutants show slow swimming and provide a model of Multi -minicore disease.2008

    • 著者名/発表者名
      平田普三, 他
    • 学会等名
      The 8th International Conference on Zebrafish Development and Genetics
    • 発表場所
      Madison, Wisconsin, USA
    • 年月日
      20080625-20080629
  • [学会発表] サカナの異常から見えてくる人の病気2008

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第41回日本発生生物学会市民公開講座「発生生物学から見た生物の世界」
    • 発表場所
      徳島県郷土文化会館
    • 年月日
      20080528-20080531
  • [図書] ブレインサイエンスレビュ-20082008

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 総ページ数
      107-127
    • 出版者
      ゼブラフィッシュを用いた運動制御の遺伝学的解析

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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