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2008 年度 実績報告書

発育期の骨質強化に対する力学的負荷およびビタミンK摂取の有効性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19650116
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 健志  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (30249560)

研究分担者 田中 正夫  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40163571)
内藤 尚  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (40392203)
キーワード骨成長 / ビタミンK / 反復骨負荷 / 骨質
研究概要

現代生活の運動頻度の減少や栄養の不足・偏りは,発育期の健全な骨成長を阻害して骨の易骨折性を招き,長期的には骨の成熟度を減じて将来の骨粗髪症発症リスクを増大させる.本研究では,栄養疫学調査からその骨形成効果(コラーゲン産生,骨基質へのカルシウム結合の促進)が期待できるビタミンK2(VK2)と適度な骨への力学的負荷に着目し,これらの骨形成促進作用について実験的検討を行なった.
生後4週齢のウィスターラット(♀)を,標準餌,VK2添加餌群に分け,両群とも左下腿に対し,断続的負荷-1Hz,ピーク荷重0.5kgfで20秒間,10秒の無負荷時間を挟んで18サイクルーを週3回の頻度で4週間与え,1週間の休止期間後,さらに同様の負荷を4週間与えた.VK2の一日の摂取量はkg体重あたり22mgであった.負荷実験終了時には血液サンプリングし,両肢の脛骨を摘出した.脛骨は近位骨幹端と骨幹部に切り分け,各々について,マイクロCTによる海綿骨形態計測,フーリエ変換赤外分光顕微鏡法による材料特性計測を行った.
エンザイムイムノアッセイにより得られた血漿中のグラ化オステオカルシン濃度は,VK2群で有意に高く,VK2による骨基質へのカルシウム沈着の促進効果が示唆された.実際に,海綿骨骨梁の体積と体積率,骨梁幅はVK2群で増加し,骨の構造強度の増加が確認された.また,皮質骨のハイドロキシアパタイト結晶度もVK2群で有意に高く,VK2摂取による骨の成熟性の促進が明らかになった.しかしながら,両群とも左右の脛骨の形態,材料特性には有意な違いは見られず,本実験で与えた負荷では効果がないことが確認された.成長期の骨形成促進において,より効率的な負荷の必要性が窺われた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ラット皮質骨の微視的力学・材料特性2009

    • 著者名/発表者名
      宮川拓士, 他
    • 雑誌名

      日本機械学会第21回バイオエンジニアリング講演会講演論文集 No. 08-53

      ページ: 151-152

  • [雑誌論文] Microscopic Analysis of Bone in Growing Rats Under the Influence of Vitamin K2 and Mechanical Loading2009

    • 著者名/発表者名
      T Matsumoto, et al
    • 雑誌名

      Proc. the World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 骨組織における局所材料特性と力学機能2008

    • 著者名/発表者名
      松本健志, 他
    • 雑誌名

      生体医工学 46

      ページ: 25-30

    • 査読あり
  • [学会発表] 単色放射光CTによる骨形態解析2008

    • 著者名/発表者名
      松本健志
    • 学会等名
      第35回日本臨床バイオメカニクス学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-11-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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