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2008 年度 実績報告書

放射線照射放出型の抗癌剤マイクロカプセルによる低侵襲粒子線癌治療技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19650128
研究機関東北大学

研究代表者

寺川 貴樹  東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10250854)

研究分担者 伊藤 伸彦  北里大学, 獣医学部, 教授 (00159899)
キーワード粒子線治療 / 薬剤伝達 / シスプラチン / PIXE元素分析
研究概要

本研究では、生体に投与可能な抗癌剤内包マイクロカプセルを用い、粒子線照射によるブラッグピークを利用してカプセルを破壊し、内包抗癌剤を長時間持続的にリリースさせる薬剤伝達方法を開発する。その結果、腫瘍領域にのみ高濃度の薬剤分布と陽子線治療による相乗的治療効果を低副作用で得ることを目的とする。今年度は研究計画最終年度であり、抗癌剤内包マイクロカプセルを用いて、マウスレベルによる治療実験を実施した。NFSaマウス線維肉腫細胞をC3Hマウスの後脚に移植し、直径10mm程度の腫瘍が形成された時点で、マウスにシスプラチンを内包したカプセルを投与した。カプセル径は現状で平均数十μm程度であるため、腫瘍部へ直接投与した。腫瘍部に対して15mm幅の陽子線拡大ブラッグピークを一致させて陽子線30Gyの単回照射を行った。腫瘍内でのシスプラチン放出と腫瘍細胞への取り込みを確認するために、治療後1時間または6時間後に腫瘍部を摘出し、両腫瘍サンプルをPIXE元素分析法に供した。腫瘍組織内の元素分析では、硝酸灰化した腫瘍サンプルを数ミリ径の陽子線で照射して特性X線測定による通常PIXE分析法を用い、シスプラチンの構成元素である白金元素が、両サンプルから約2ppm検出された。一方、細胞内の白金元素分布を得るため、厚さ10μmの腫瘍組織切片に対して、1μm径の陽子線を走査し照射するマイクロPIXE分析を行ったが、白金元素が微量であったため、細胞核への白金集積を確認するまでには至らなかった。一方、高分解能PET装置を用いて、18FDGを投与したマウスを測定した結果、治療後の腫瘍内糖代謝レヴェルの低下が認められ、一定の治療効果を確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Proton Therapy Facilities at CYRIC, Tohoku University2008

    • 著者名/発表者名
      A. Terakawa
    • 雑誌名

      Proceedings of the 16th Pacific Basin Nuclear Conference (16PBNC), Aomori, Japan, Oct. 13-18, 2008 1

      ページ: 16-1378-1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PIXE ANALYSIS OF PEANUTS PLANTED IN JAPAN AND IMPORTED FROM ABROAD2008

    • 著者名/発表者名
      A. Terakawa
    • 雑誌名

      International Journal of PIXE 18

      ページ: 253-260

    • 査読あり
  • [学会発表] 腫瘍血管遮断剤AVE8062を併用した陽子線照射の抗腫瘍効果に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      寺川貴樹
    • 学会等名
      (社)日本原子力学会2008年秋の大会
    • 発表場所
      高知工科大学
    • 年月日
      2008-09-05
  • [学会発表] イヌ由来扁平上皮癌細胞に対する80MeV陽子線の放射線生物学的効果2008

    • 著者名/発表者名
      有川潤
    • 学会等名
      (社)日本原子力学会2008年秋の大会
    • 発表場所
      高知工科大学
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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